落下の解剖学

映画

落下の解剖学
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2024年3月5日(火)
パンフレット入手

交通事故が原因で視覚に障害のある11歳 ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)がピアノ演奏するシーンが印象的です。

残念なことにパンフレット内に説明がないため、以下の2曲を解説します。

1エンリケ・グラナドス作曲 スペイン舞曲集Op.37-5 アンダルーサ
グラナドスはスペイン生まれの作曲家。アンダルーサは代表曲のひとつ。スペインのフラメンコダンスのような情熱的メロディー
ピアノ曲ですが、クラシックギターで演奏されることが多い。

2.エンニオ・モリコーネ作曲 映画「ニューシネマパラダイス」(1988年)で使用された曲
美しく、優しいメロディー ピアノ曲に編曲されたものをダニエルは演奏している。
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本編
ドイツ人のベストセラー作家サンドラ(サンドラ・ヒュラー)は自宅で学生からインタビューを受けていた。屋根裏部屋のリフォームをしていた夫のサミュエル(サミュエル・タイス)が大音量で音楽をかけ始める。サンドラは取材を中断し、また別の機会を、と学生を帰らせる。
サミュエルが生まれ育ったフランスの人里離れた雪山に佇む山荘。
サンドラは、教師の仕事をしながら作家を目指す夫サミュエル、11歳の息子ダニエル、愛犬スヌープの家族3人と1匹で暮らしている。
事件が発覚したのは、ダニエルがスヌープの散歩から戻ってきたとき。山荘近くの雪の上で頭から血を流し、横たわる父親に気づいていたのだ。ダニエルの叫び声を聞いたサンドラが駆けつけると、すでにサミュエルの息は止まっていた。
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検視の結果、死因は事故または第三者の殴打による頭部の外傷だと報告される。事故か自殺か他殺かー殺人ならば、状況から容疑者はサンドラしかいない。サンドラはかつて交流があった弁護士のヴァンサン(スワン・アルロー)に連絡を取り、山荘にやってきたヴァンサンにすべては自分が昼寝をしていた間の出来事だと説明する。
ヴァンサンは「サミュエルは窓から落下して物置の屋根に頭部をぶつけた」と申し立てることに決める。さらに窓枠の位置の高さから、事故ではなく「自殺」だと主張するしかないと説明する。サンドラは「息子の目の前で自殺するはずがない」と異を唱えるが、半年ほど前、夫が嘔吐した際、吐しゃ物に白い錠剤が混じっていたことを思い出す。
捜査が進み、検察はサンドラを起訴する決断を下す。起訴理由を聞いて驚き、サンドラに「なぜ僕に黙っていたのかと」詰め寄るヴァンサン。サミュエルの死の前日、夫婦が激しく口論し殴り合う音声が、サミュエルのUSBメモリに残されていたのだ。
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夫婦喧嘩の録音が再生される。サミュエルはサンドラを批判する。お前のせいで自分には執筆する時間がない。自分の小説の構想を奪われた。ダニエルが事故で失明しセックスレスになった時、お前は他の女性と不倫していた。話し合いにも応じてくれない。サンドラは激しく反論する。執筆時間は家事の合間にも作れる。小説のアイデアをもらうことも不倫もあなたの了承すみだった。書けないことを私のせいにしないで。激高しついに壁に投げつけ、サミュエルを殴打。リベラルな良識作家という外見をかなぐり捨てて、上から目線で夫を罵り、一切の妥協を受け入れようとしないサンドラの冷徹で強靭なエゴがサミュエルを圧倒する。
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だがそれは夫婦の謎に満ちた関係が暴露されるとっかかりのひとつにすぎないのである。
裁判が始まると証人や検事から次々と夫婦の秘密や嘘が暴露され、彼らを知る人物の数だけ真実が現れる。審理は混沌を極め、真相が全く見えない中、
一度は証言を終えた息子のダニエルが「もう一度証言したい」と申し出る。ダニエルは自殺ではと。

はたしてその結果 -サンドラは無罪となった。最後に抱き合うサンドラとダニエルがそこにいた。
監督:ジュスティーヌ・トリエ

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